この話は、半年前にさかのぼる。

そう。
琥珀は・・・・犬夜叉に殺された。
あの時、犬夜叉のそばで泣いたのは・・・・・

――――――悲しかった。

琥珀を殺された事も、悲しかったけど、何より悲しかったのが、仲間と・・・犬夜叉と戦った事だった。

あの事件から、半年が過ぎた。

「珊瑚様・・・・」
少女は立ち上がった。

「北里村で、大熊が暴れまわっているそうです。妖怪退治の以来です。」
(珊)「そう、わかった。雲母、おいで。」
(雲)「ミュ~」

(珊)「じゃあ、行ってくるよ。」
「はい、気をつけてくださいませ。」
(珊)「雲母、行くよ!」

「ちょっとまって~!」

(珊)「ん・・・・?」
「あたしも連れてってよ、珊瑚!」
(珊)「えっ・・・・いいけど・・・大丈夫なの?夏実。」
(夏)「ええ!大丈夫よ!」

この夏実と言う少女は、半年前に妖怪退治屋の里に妖怪退治の以来を持ってきた少女である。
だが、変化した犬夜叉によって、村は滅(ほろ)ぼされて、家族も友達もみんな失った。
というわけで、珊瑚と一緒に妖怪退治屋の里にいる。
他にも、迷い人や、都(みやこ)からこの里に移ってくる人も多い。
そのため、妖怪退治屋の里は、少しずつにぎやかになり始めた。

(珊)「じゃあ、その妖怪が出てくるのは、夕方なのね?」
(村人)「はい、いつも、夕方になるとその大熊は、家畜の動物を狙ってやってきます。」
(珊)「じゃあ、いつ人間が襲われても不思議じゃないんだね。」
(村人)「ええ。そのために、おちおち寝られない状態で・・・・」
(珊)「わかったよ。あたしに・・・・」
(夏)「私たちにお任せください。珊瑚が絶対に退治してくれます。」

=・・・あたしかい・・・・=

(珊)「・・・そろそろだね。」
(夏)「う、うん・・・。」
(珊)「何怖がってんのさ。」
(夏)「だ、だって・・・」
(珊)「あ、そっか。夏実は初めてなんだっけ。」
(夏)「うん・・・。」
(珊)「心配しなくっても大丈夫だよ。その鎖鎌を使えば平気だから。」
(夏)「うん。大丈夫よね!」
(珊)「ああ。」

ザァ・・・・・・・・・

珊瑚は目を閉じた。

=風(かざ)向きが変わった・・・・・=

(珊)「!」
(夏)「珊瑚・・・・?」
(珊)「くるよ。しかも、結構手ごわそうだよ。」
(夏)「う、うん。」
(珊)「いくよ!」

珊瑚と夏実は走り出した。
その直後、大熊が襲いかかってきた。

(珊)「夏実、あんたは足を押さえて!」
(夏)「あ、うん!」

珊瑚はそういうと、珊瑚に乗って、大熊に向かった。
夏実は、珊瑚の言われたとおりに、鎖鎌で大熊の足を傷つけた。
珊瑚は雲母から飛び下りて、お得意の武器を投げた。

(珊)「飛来骨!」

大熊は、あっという間に退治された。

(珊)「よし。」
(夏)「やったね。」
(珊)「あ、ああ。」
(夏)「じゃあ、村人達に言ってくるよ。」
(珊)「うん、わかった。じゃあ、毛皮や骨とかちょっと貰ってこうかな。」
(夏)「うん、よろしくね!」

(夏)「と、言うわけで、退治しました。」
(村人)「あ、ありがとうございます。」
(夏)「いえいえ。仕事ですから。それに、私じゃなく、珊瑚が退治しましたから。」
(村人)「お代は少ないですが・・・・・」
(夏)「いえいえ、これだけもらえれば十分ですよ。」

(夏)「では、何かあったら、呼んでくださいね。」
(村人)「ありがとうございました。」

(夏)「珊瑚ー?」
(珊)「あ、お代貰ってきた?」
(夏)「うん。はいっ。」
(珊)「ありがとう。じゃあ、戻るよ。」
(夏)「うん。」

珊瑚と夏実が退治屋の里に戻る途中の道で、ある人物に出会った。

(珊)「・・・・さっきからつけてきて・・・、何がしたいんだ?」
(夏)「・・・・え・・・?」

ガサガサ・・・・・・・・・

珊瑚と夏実の背後の草むらが、揺れた。
そして・・・・夏実と同じくらいの少女が出てきた。

(珊)「あれ・・・・・、あんたは・・・」
(夏)「知ってるの?」
(珊)「ああ・・・・ちょっとだけだけど・・・」
「あなた、殺生丸様を知ってる?」
(珊)「うん、まぁ・・・・」
(夏)「殺生丸って・・・・?」
(珊)「あぁ、あたしらと一緒に旅をしていた犬夜叉の兄だよ。」
(夏)「へぇ・・・・」
「もしかしたら、殺生丸様の居場所分かるかなって・・・・・・」
(珊)「悪いけど、何にも知らないんだ・・・」
「そうですか・・・・」

その少女は泣きそうになった。

(珊)「じゃあ、こうしない?」
「え・・・・・?」
(珊)「あたしたちと一緒に退治屋の里においでよ。」
(夏)「えっ?珊瑚、どういうこと?」
(珊)「里にいれば、妖怪退治の以来が来るし、その時偶然会うかもしれないだろ?」
(夏)「そうか・・・」
(珊)「あんたがいいなら、いいけど?」
「・・・・・りんも一緒にいていいの?」
(珊)「ああ。あたしは、珊瑚。」
(夏)「私は夏実です・・」
(り)「りんだよ。」

こうしてりんは退治屋の里に行くことにした。

りんが里に来て、10日がたったある日―――――

(夏)「りんっ、珊瑚っ、退治の依頼だよ!」
(珊)「はいよっ。」
(り)「はーい!」

三人は雲母で町に移動した。

(珊)「ココ?妖怪が出るってのは・・・・・」
(夏)「うん、結構美形らしいよ。」
(り)「へぇ・・・でも、どこも荒らされてる所なんて、ありそうもないですけど・・・・」
(夏)「それが、いろんな人に、『人を探している』と言って、その子の特徴をいうらしいんだ。」
(珊)「で、その子の特徴は・・・・?」
(夏)「いや・・・そこまで覚えてなかったらしいよ。大体、妖怪が人間を探してるのは変だと思って、教えなかったみたい。」
(珊)「・・・・そう・・・。」
(り)「とりあえず、その妖怪と話をすればいいんですね?」
(珊)「まぁ、そういうことだね。」
(夏)「じゃあ、その妖怪が出てくるって言う、通りに行ってみましょう。」

(珊)「その妖怪って、昼間に出てくるんだよね?」
(夏)「そうみたいですね。」
(り)「でも・・・なんで昼間なんだろ。」
(珊)「そういえば・・・・」
(夏)「何がです?」
(珊)「普通、夕方頃を狙うんじゃないかな?子供が家とか帰る頃だろうし。」
(夏)「そういわれてみれば・・・・・」

ザッ・・・・・・

「この辺で、小さな娘を見なかったか・・・・?」

珊瑚と夏実の後ろから、声がした。

(珊)「えっ・・・・?」
珊瑚が振り返ると、そこには――――――――
銀色の髪に、右肩にもこもこがあり、そして、刀を二本と、いかにも金持ちのところの人に見えた。

「・・・・お前は・・・・」
その男は、珊瑚に言った。

(夏)「知ってるんですか?」
(珊)「知ってるもなにも・・・・」

(珊)「犬夜叉の兄の―――殺生丸だよ。」
(り)「!」
(夏)「じゃあ、探していた娘って・・・・」
(珊)「ええ・・・・、この・・・・りんのことね。」
(殺)「・・・りんがそこにいるのか。」
(り)「殺生丸さまー!」
りんは、殺生丸に抱きついた。

(珊)「あんた・・・匂いで分かんなかったの・・・?」
(殺)「・・・違う匂いが染み付いていたからな・・・・。」
殺生丸はそういうと、歩き出した。

―――――りんを連れて――――

(珊)「・・・・・待て。」
(殺)「なんのようだ・・・・」
(珊)「りんをどうするきだ?」
(殺)「・・・・・・・・・・」
殺生丸は歩き出す。

(珊)「あんた・・・・りんのことを傷つけないようにって、村に残したんだろ?」
(殺)「・・・・・・・ほかに何がある・・・・?」

=殺生丸様・・・・・=

りんは涙が出てきた。
殺生丸は元々人間は嫌いだったのに、りんの事を考えてくれたんだ・・・・・。

(殺)「他には用はないのだな・・・・?」
殺生丸は歩き出した。

その時――――

(り)「ねぇ、殺生丸様!」
りんが、殺生丸を呼び止めた。
(殺)「・・・・・なんだ。」
殺生丸は、足を止める。
(り)「りん、珊瑚と夏実にお世話になったの。それから、半年前に、琥珀が死んじゃったんだって・・・」
(殺)「・・・・琥珀・・・?あの、奈落についていたのか・・・?」
(り)「そう。お願い、殺生丸様!琥珀をりんが生き返ったように、生き返らして!」
(珊)「・・・・りん・・・・・」
(殺)「・・・・・・・わかった。もう、願いは聞かんぞ。」
(り)「・・・・殺生丸様・・・・・」

=琥珀が・・・・戻ってくる・・・・?本当に・・・・?=

珊瑚は涙が溢れてきた。

(夏)「珊瑚、よかったね!琥珀君が戻ってくるって!」
(珊)「・・・・うん・・・・」
珊瑚の涙は止まらなかった。

そして、3日後――――――

「姉上ー!」

いつものように聞こえていた、明るい声が聞こえてきた。

(珊)「何?琥珀。」
(琥)「あのね、夏実さんが、薬草の見分け方教えてほしいって!」
(珊)「わかった、わかった。」

琥珀は、珊瑚の腕を引っ張る。

=琥珀が戻ってきた・・・・・・殺生丸・・・、この仮は、必ず返すからね・・・・=

(~管理人のコメント~)
なんかなぁ・・・・;
続編が短くなっちゃった;
しかも、なんか続編って感じがしなくなっちゃってる;

+繭から+
もぉ><。。
最高!!
ぜんぜんするよぉv
また書いてもらおうK(強制終了;


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